看護師が行う注射の種類と注意点についてまとめてみた

看護師が行う注射には、目的や薬剤の性質によってさまざまな種類が存在する。
それぞれの注射の特徴と、実践する上で看護師が特に注意すべきポイントをまとめて紹介しよう。

・皮下注射
皮膚の下にある皮下組織に針を刺して薬液を注入する方法。主にインスリンや抗凝固剤、一部のワクチンなどで用いられる。
【注意すべき点】
インスリンなど薬剤によっては「注射後に揉んではいけない」ものがあるため、事前の確認が必要である。また、糖尿病などで頻回に自己注射・介助注射を行う場合は、皮膚の硬結(しこり)を防ぐために、毎回注射部位を数センチずつずらす「ローテーション」を徹底しなければならない。

・筋肉注射
皮下組織のさらに奥にある筋肉層へ薬液を注入する方法。吸収が速く、新型コロナウイルスなどのワクチンや、鎮痛剤などで用いられる。
【注意すべき点】
針を深く刺すため、神経(橈骨神経や坐骨神経など)や太い血管を損傷するリスクがある。そのため、三角筋や殿部など、安全な刺入部位を正確に見極めるための解剖学的な知識が不可欠である。

・静脈内注射
静脈(血管)内に直接針を刺して薬液を注入する方法。薬剤がすぐに全身を巡るため、救急処置や即効性を求める場合に使用される。
【注意すべき点】
薬効が速く現れる分、副作用(アナフィラキシーショックなど)も急速に起こりやすいため、投与中・投与直後の患者の観察を怠らないことが重要である。また、薬液が血管外に漏れ出す「血管外漏出」による組織障害を防ぐための慎重な手技が求められる。

・皮内注射
皮膚の極めて浅い部分(表皮と真皮の間)に薬液を注入する方法。主にアレルギー反応検査や、結核のツベルクリン反応検査などに用いられる。
【注意すべき点】
針を皮膚に対してほぼ平行に刺入し、正確に真皮内に小さな膨疹(水ぶくれのようなもの)を作る繊細な技術が求められる。検査の正確な判定を妨げてしまうため、抜針後は「絶対に揉まない」ことを患者にもしっかりと説明し、指導する必要がある。

注射は看護師にとって日常的な業務であるが、常に危険と隣り合わせの医療行為でもある。
手技のスキルアップはもちろんのこと、患者の本人確認や薬剤の確認(正しい患者、正しい薬剤、正しい量など)を毎回怠らず、安全確認を最優先に実施することが何よりも重要だ。